結婚願望ゼロだったのに、一途な御曹司の熱情愛に絡めとられました
「土曜日までに必ず婚約を解消します。だから、一緒に船に乗ろう」
「土曜日って、もう明後日ですよ。無理しないで下さい。それに、西園寺詩織さんと破談になったら、先生は全てを失うんじゃないんですか?」
先生の眉間に縦ジワが出来る。
「誰がそんな事を言ったんですか?」
「上司が言ってました」
「大丈夫。桜子が僕の隣にいてくれるなら何も失いません。桜子を失う事が僕にとって全てを失う事になるんです」
私の不安をかき消すように先生が微笑んだ。
先生にそこまで言ってもらえて嬉しい。だけど、本当に先生は大丈夫なの?
「……先生」
「僕を信じて。明後日、必ずベリが丘港に行くから」
「はい」
頷くと先生の手が私の後頭部を強く抱き、唇と唇がしっかり重なる。唇が重なった瞬間、心が震えた。先生の事が好きで好きで苦しくなる。こんなにも誰かを好きになるとは思わなかった。
気持ちを伝え合うように何度もキスする。角度を変え、互いの唇を貪る。熱い、熱いキスだった。キスをしながら「好き」だと口にすると、先生も吐息交じりの声で「好きだ」と言ってくれた。
離れたくない。このまま先生とずっと一緒にいたい。そう思った時、先生のスマートフォンが鳴る。先生は着信を無視して私にキスし続けるけど、それではいけない気がして、私から唇を離した。
「先生、電話に出て」
先生は切なそうに両眉を歪ませ、もう一度だけ私にキスをすると、スマートフォンを見た。
先生の眉間に深い皺が刻まれる。ディスプレイには北沢不動産社長と表示されていた。
社長という事は先生のお父さん。お父さんの名前を社長と登録している事に親子関係がよくない事を感じる。
先生は鳴り続けるスマートフォンを上着のポケットに仕舞い、立ち上がる。
「厄介事を片付けてきます」
「はい」
先生を玄関まで見送った。先生は「明後日会おう」と言って、私の唇にキスをした。
先生の言葉を信じようと思った。必ず先生と会える。そう信じて先生と別れた。
「土曜日って、もう明後日ですよ。無理しないで下さい。それに、西園寺詩織さんと破談になったら、先生は全てを失うんじゃないんですか?」
先生の眉間に縦ジワが出来る。
「誰がそんな事を言ったんですか?」
「上司が言ってました」
「大丈夫。桜子が僕の隣にいてくれるなら何も失いません。桜子を失う事が僕にとって全てを失う事になるんです」
私の不安をかき消すように先生が微笑んだ。
先生にそこまで言ってもらえて嬉しい。だけど、本当に先生は大丈夫なの?
「……先生」
「僕を信じて。明後日、必ずベリが丘港に行くから」
「はい」
頷くと先生の手が私の後頭部を強く抱き、唇と唇がしっかり重なる。唇が重なった瞬間、心が震えた。先生の事が好きで好きで苦しくなる。こんなにも誰かを好きになるとは思わなかった。
気持ちを伝え合うように何度もキスする。角度を変え、互いの唇を貪る。熱い、熱いキスだった。キスをしながら「好き」だと口にすると、先生も吐息交じりの声で「好きだ」と言ってくれた。
離れたくない。このまま先生とずっと一緒にいたい。そう思った時、先生のスマートフォンが鳴る。先生は着信を無視して私にキスし続けるけど、それではいけない気がして、私から唇を離した。
「先生、電話に出て」
先生は切なそうに両眉を歪ませ、もう一度だけ私にキスをすると、スマートフォンを見た。
先生の眉間に深い皺が刻まれる。ディスプレイには北沢不動産社長と表示されていた。
社長という事は先生のお父さん。お父さんの名前を社長と登録している事に親子関係がよくない事を感じる。
先生は鳴り続けるスマートフォンを上着のポケットに仕舞い、立ち上がる。
「厄介事を片付けてきます」
「はい」
先生を玄関まで見送った。先生は「明後日会おう」と言って、私の唇にキスをした。
先生の言葉を信じようと思った。必ず先生と会える。そう信じて先生と別れた。