結婚願望ゼロだったのに、一途な御曹司の熱情愛に絡めとられました
最終話
先生と約束した土曜日の午前中。
南係長とスーパーの隣のコーヒーショップで会った。
休日に会った南係長はグレーのパーカーにジーパンというカジュアルな服装だった。
前髪を下ろしている事もあり銀行で会う南係長より若く見える。
普段と印象が違う事を言うと、南係長が照れくさそうに笑った。
南係長の笑った顔を見て、胸が重たくなる。
ブレンドコーヒーを買って二階の窓際の席に座った。
窓に視線を向けると、港が見える。そこには先生と乗る予定の豪華客船が停まっていた。
先生に会う前に南係長にハッキリと気持ちを伝えたかった。
覚悟を決めて、テーブルの向かい側の南係長を見る。
「南係長とはお付き合いできません」
眼鏡の奥の瞳が一瞬、悲しそうに歪められた。
「まだ期限の一ヶ月は経っていませんが」
コーヒーカップを置いた南係長が言った。
「私は北沢海人さんが好きです。この気持ちは何があっても変わらないと確信したからお返事をしました」
「僕の事を考える余地もないと?」
「すみません」
「北沢海人は西園寺詩織と別れられませんよ。それでも北沢海人を選ぶんですか?」
眼鏡の奥の瞳が鋭く、こっちを見る。
「はい」
揺るぎない気持ちをわかって欲しくて、南係長の目から逸らさず返事をした。
南係長とスーパーの隣のコーヒーショップで会った。
休日に会った南係長はグレーのパーカーにジーパンというカジュアルな服装だった。
前髪を下ろしている事もあり銀行で会う南係長より若く見える。
普段と印象が違う事を言うと、南係長が照れくさそうに笑った。
南係長の笑った顔を見て、胸が重たくなる。
ブレンドコーヒーを買って二階の窓際の席に座った。
窓に視線を向けると、港が見える。そこには先生と乗る予定の豪華客船が停まっていた。
先生に会う前に南係長にハッキリと気持ちを伝えたかった。
覚悟を決めて、テーブルの向かい側の南係長を見る。
「南係長とはお付き合いできません」
眼鏡の奥の瞳が一瞬、悲しそうに歪められた。
「まだ期限の一ヶ月は経っていませんが」
コーヒーカップを置いた南係長が言った。
「私は北沢海人さんが好きです。この気持ちは何があっても変わらないと確信したからお返事をしました」
「僕の事を考える余地もないと?」
「すみません」
「北沢海人は西園寺詩織と別れられませんよ。それでも北沢海人を選ぶんですか?」
眼鏡の奥の瞳が鋭く、こっちを見る。
「はい」
揺るぎない気持ちをわかって欲しくて、南係長の目から逸らさず返事をした。