結婚願望ゼロだったのに、一途な御曹司の熱情愛に絡めとられました
エレベーターを10階で降りると、「いらっしゃいませ」と係の人に出迎えられた。
部屋番号を聞かれ、1001号室と答えると、係の人が部屋の前まで案内してくれる。

カードキーをセンサーにかざして1001号室に入ると、広いリビングルームがあった。ソファやテーブルなど部屋にある家具は全部高級そう。テーブルの上には山盛りのウェルカムフルーツとシャンパンもあった。

こんな凄い部屋を先生が用意していたとは思わなかった。
ラグジュアリーな空間に圧倒される。

そしてベランダも広い! 窓を開け、ベランダに出ると心地よい潮風を感じる。
まだ夕暮れ前で空も明るく、景色がよく見える。海と、港の向こうのベリが丘タウンを見て、船の中にいるんだと実感した。

あそこにあるのは先生と再会したベイサイドの豪華なホテルだ。その奥はツインタワー。サウスエリアのショッピングモールも見える。すっかり街の景色に馴染んだ。この街で暮らしているんだと感じる。

この街に越して来て良かったな。
少しだけしみじみと景色を眺め、その後はベランダから隣の部屋に入った。

そこは寝室だった。

二つ並んだダブルベッドを見てドキリとする。
先生と一緒に寝るんだよね?
一応その覚悟で来たけど、急に緊張してきた。

初めてだけど大丈夫かな。先生が優しくリードしてくれるかな。
なんかいろいろ考えていたら不安になった。

大好きな先生と身も心も結ばれたいと思うけど、ちょっと早い気もする。
先生はどう思っているんだろう?

それにしても先生、まだかな?
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