結婚願望ゼロだったのに、一途な御曹司の熱情愛に絡めとられました
あっという間にバスローブは脱がされ、先生も気づいたら全裸になっていて、逞しい胸板と、綺麗に割れた腹筋を見て、先生が意外と細マッチョな体型である事を知ってしまう。

「ごめん。朝まで離さないかも」

先生に申し訳なさそうに言われた意味が最初はわからなかった。
その意味を知ったのは朝になってから。先生は朝まで本当に私を離さなかった。
私がベッドから出られたのは、ベリが丘港に30分後に到着するというアナウンスが流れた時だった。

朝どころか、昼近くまで先生に抱かれて、へとへと。
私より10歳年上なのに、先生は体力があり過ぎる。

私もいろいろと叫んだので、声がやや枯れている。

「海人さん! ナイトプールにもお洒落なバーにも行けなかったんですが」

ワイシャツに着替えている先生に言うと、先生が苦笑いを浮かべる。

「スパも行きたかったし、それからショッピングモールでお土産も買えなかった」
「わかった。わかった。今度は桜子の行きたい所、全部周ろう」
「また豪華客船に乗せてくれるの?」
「今度は新婚旅行で世界一周はどうです? 100日間で周るらしいです」
「そんなに休み取れませんよ。取れても一週間ぐらいです」
「じゃあ、一週間の船旅をしよう」
「またベリー号で?」
「ベリー号で」

目が合うと先生がチュッと私にキスする。
先生のキスに応えていると、簡単に深いものになるから危ない。

「これ以上はダメ」

先生の唇を手の平で遮る。

「もう船から降りるんですよ」
「桜子、煽ってるんですか?」
「えっ」
「そんな事言われたら可愛くて堪りません」

先生が再びキスしようとする。

「ダメです」

逃げると先生が追いかけて来て、私を抱きしめる。
もう片時も私から離れられないという感じになっている先生にびっくり。

「先生、大人なんだから、もう少し分別を持って下さい」

私を膝の上に抱っこする先生に叱る。
叱られた先生が落ち込んだように眉尻を下げた。

わっ、可愛い!
思わず先生を撫でたくなるけど、我慢、我慢。
私だけでも大人でいなければ、船から降りられなくなる。

終わり
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