結婚願望ゼロだったのに、一途な御曹司の熱情愛に絡めとられました
愛情に飢えた人間はどうすればいいのか?

先生の講義を聞いてから、自然とそう考えるようになった。
思い切って先生に質問しに行った。

私が質問すると、先生は端正な顔を私にじっと向けた。
初めて目を合わせた黒い瞳はどこか悲しげだった。

「僕が君の全てを受け入れます。君がいい子でも悪い子でもね。だから安心して下さい」

先生の言葉に心が揺さぶられた。
不安だった私の気持ちを先生の言葉は包み込んでくれた。

不覚にも泣いてしまった。人前で泣くなんて私の中では絶対にありえない事だった。それ以来、先生と会うと弱みを握られているようで気まずくなった。そして、気づけば先生に特別な想いを抱えるようになった。
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