結婚願望ゼロだったのに、一途な御曹司の熱情愛に絡めとられました
鈴木さんがどうぞとエレベーターの扉を押さえてくれる。

「あ、ありがとうございます」
緊張しながらエレベーターの外に出た。うわっ、ホテルみたいな内廊下。絨毯敷いてある。ふかふかだ。私の靴、泥とかついてないよね? 思わず靴の底を見ると、何もついてなくてほっとした。

「お部屋はこちらです」

1002号室と書かれた部屋の前で鈴木さんが立ち止まった。
重厚感あるダークブラウンのドアには銀色の縦長ハンドルが付いていて、センサー部分に鈴木さんがピッとカードキーをかざすと、鍵が開く音がした。

「どうぞ」
ドアを開けてもらって中に入る。うわっ、玄関広い! 今住んでいる所の2倍はある。しかも新しくて、どこもかしこもピカピカ。新築みたい。

「玄関の床は大理石のタイルを使っております」

この白い玄関タイルは大理石なの! 大理石って高いんじゃないの?

「シューズクローゼットはゴルフバッグも仕舞える広さです」
玄関左手の天井まである白い扉を鈴木さんが開いた。

わー! 収納スペースがいっぱい。きっと一人じゃ使いきれないよ。贅沢だな。
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