結婚願望ゼロだったのに、一途な御曹司の熱情愛に絡めとられました
「こちらが契約書になります」

鈴木さんが先生に私が書いた契約書を渡す。急に鈴木さんが悪魔の手先に見えてくる。

「確かに」
契約書を確認すると、「九条さん、どうぞ」と先生に言われて、気づいたら先生のお部屋の広いリビングにいた。

「コーヒーでいい?」
対面式のカウンターキッチンから先生に声をかけられ、ハッとする。

「鈴木さんは?」
いつの間にか鈴木さんがいない。

「鈴木さんはお仕事が終わったので帰りましたよ」
にこやかな表情で先生が言った。
上機嫌な先生を見てはめられたと思った。

何が純粋に教え子を助けたいと思ったよ!

「……酷い」
「えっ?」

コーヒーの準備をしていた先生が私を見る。
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