結婚願望ゼロだったのに、一途な御曹司の熱情愛に絡めとられました
「嘘つき! 何の企みもないって言ってたくせに、先生が大家さんってどういう事ですか!」
「嘘はついていませんよ。九条さんが困っているから助けたいと思ったのも本当だし、大家さんを直接知っているから家賃を安くできると言ったのも本当の事です。なんでそんなに怒るんですか?」

先生の言っている事に確かに嘘はない。でも先生は肝心な事を言っていない!

「先生が大家さんだって隠してた。しかも隣ってどういう事です?」
「九条さんとご近所さんになるとも昨日、言いましたよ」
「ご近所過ぎてびっくりです。隣なら隣って言えばいいのに!」
「言ったら九条さんが警戒すると思ったんです」

やっぱり私がどんな反応をするかわかっていたから隠したんだ! 

「警戒しますよ。先生が大家さんで隣の部屋に住んでいると知ったら絶対に契約しませんでした!」
「そんなに僕と関わるのが嫌ですか?」
「嫌です。ここに住んだら顔を合わせる度に先生にプロポーズされそうでうっとうしいです」
「そんなに僕と結婚するのが嫌ですか?」
「死んでも嫌です」

先生のキリッとした両眉が驚いたように上がる。
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