結婚願望ゼロだったのに、一途な御曹司の熱情愛に絡めとられました
もう先生の事は考えないと決めて、ショッピングモールを出てスーパーに行った。
前住んでいた所にもあった庶民的な価格のスーパーで、先生が来る事は絶対になさそうだった。

野菜、果物、お魚、お肉のコーナーと歩いてお酒のコーナーで缶ビールを2本買い物かごに入れた。それからスナック菓子をカゴに入れて、お惣菜のコーナーで美味しそうなトンカツを見つける。一人分だから作るよりも出来ている物を買った方が安上がり。トンカツにはやっぱり千切りキャベツだよねと思い、再び野菜コーナーに戻る。キャベツはカットされている物よりも大きいのを一玉買った方が得だ。今日だけではなく、明日以降の食材になる。今週はキャベツで過ごす事になりそう。

日用品もいろいろとカゴに入れて、無人レジで会計をする。スキャナでピッと商品をスキャンしてエコバッグに入れていく。昨日、初めて使った時は戸惑ったけど、今日はスムーズに出来た。ほっとしながらレジから立ち去ろうとした時、後ろで商品をスキャンしているスーツの男性が目に留まる。

うわっ。南係長だ。

見間違えかと思い、注意深く見るけど、鼻筋の通った横顔は南係長だった。
銀行でのキリッとした姿と無人レジで商品をスキャンしている姿がギャップがある。ちょっと面白い物を見てしまったような気がする。

へぇー。南係長も庶民的なスーパーを利用するんだ。
そう思った時、会計を終えた南係長と目が合う。

「あっ」

南係長が私を見て短く声を上げた。
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