クズな君と恋したら
私を知っている上に、私を守る……?
もしかして、私の近くにいる人なの……?
「あの、北斗さんはもしかして___」
「ごめんね、これ以上は言えないんだ。仕事だから」
綾都のこと、知っていますか?___そんな私の声は北斗さんに遮られた。
だって、それしか思い浮かばない。……でも、そんなわけないか。
綾都がこのパーティーに出席するはずだったなんて、ありえないもの。
「はい、北斗です。___はい。了解しました」
もんもんと考えていると、隣にいた北斗さんは耳についているイヤホンを押さえながら何かを喋っている。
……本当に何かの仕事で来てるんだ。
それにしても、なんのお仕事なんだろう。
自然に会場を出ていく北斗さんの背中を見て、胸の内側がざわざわと不穏な音を鳴らしていた___。