クズな君と恋したら
北斗さんが言うように、反省することを知らないのかもしれない。
それでも、人を殺そうとした人を殺しても、その人と私たちが一緒になっちゃうんだよ……?
そんなの、絶対に嫌だ。
伊吹くんも北斗さんも綾都も……優しいはずなのに。
「……水上さん、どうしますか」
ギリっと奥歯を噛み締めた北斗さんが、綾都を振り向く。
北斗さんも……迷っているのかな。
つられて同じ方向を見ると、伊吹くんに縄を解いてもらったらしい綾都は、イスから立ち上がって、あくびをしながら窓の外を眺めていた。
……その時、私は全く気づかなかった。
興味なさげに向けられる綾都の視線が、驚いたように見開かれるまでは。