クズな君と恋したら
そう言って、机に置かれていた"あるもの"を手に持ったかと思えば、その先端についているボタンのようなものを、浮本さんは迷うそぶりも見せずに押した。
カチッ……と小さな音がした。
___その数秒後。
ドカンッ!
そんな爆発音と共に、まるで大地震が起こったかのように建物全体が大きく揺れ、傾いた。
「きゃっ……!」
なに……?
何が起こってるの……?
「1階から3階を爆破したの。もう逃げ道はないわ。アンタたちも、あたしも。ここで死ぬの!」
嘘……っ。
たらりと伝った汗。
「だから逃げても無駄よ?まあ、こんな重症人がいたらお荷物だと思うけど」
再び綾都にピストルを向けた浮本さん。
次の瞬間、無意識に動いていた私の体が、浮本さんに体当たりしていた。
ドンッ!と衝撃が身体中に響いて、少し軋んだけれど、今はそれどころじゃない。
私なんて……どうでもいいっ……!