佐伯達男のテレビのハナシ

移住したい都道府県があると言うのであれば、よーく考えてから判断しましょう。

以前、モバゲーのニュース『移住したい都道府県ランキング』のコラムがあった。

この時、ぼくは『移住したい都道府県なんかあるものか!!』と反発コメントを書いた。

そしたら『なんで日本にいるの？』とか『どうぞ日本から出て行って下さい！』などの返信が来た。

その上にハンロンコメを返信したらキリがない…

だけど、ぼくが反発コメントを書いた理由はきちんとあるので話をする。

2021年７月11日にＮＨＫ総合テレビで朝７時45分からしていた『ひめＤＯＮ』（愛媛県のみ放送）のスペシャルをみたときの話である。

松山拠点放送局に当時在籍していた首藤奈知子アナウンサー（今はＮＨＫニュースおはよう日本の平日のメインキャスターを務めている）と漫才コンビ・和牛のＭＣで、大洲市の高台の公園で公開録画放送された番組である。

番組の最初に登場した西予市野村町に移住した27歳の女性の話である。

女性は、2018年の西日本豪雨発生から何日かあとに西予市野村町に災害復興支援のためにやって来た。

彼女は、災害復興支援を通じて野村町の住民のみなさまと仲良くなれた。

その後、移住を決意した。

移住後は、野村町の地域活性化の事業団体に加入した。

現在、彼女は町内の空き家を改築してゲストハウスを作ることに取り組んでいる。

この時、彼女にカレシができた。

彼女のカレシは、一緒に作業している男性であった。

…と言う話だった。

話を変えるけど、モバゲーのニュースの『移住したい都道府県ランキング』がどのようになっていたか…

あるいは、コメントがどのように盛り上がっていたか…

…はよく知らないけど、ぼくとしてはより強い違和感をおぼえる。

返信コメントで『なんで日本にいるのか？』と書かれていたけど、答えようがないよ…

『どうぞ日本から出て行って下さい！』と言うても、やみくもに日本から出国するのはかえって危険だ…

単に『何県へ移住したい』と書き込みするのはたやすいけど、そこへ移住する目的はなんですか？…

移住先で、どのようなチャレンジをしたいのか？

移住先でがんばっている人たちのことを知りたいのであれば、愛媛朝日テレビ（テレビ朝日系）で毎週土曜日18時から放送している『人生の楽園』を見れば分かると思う。

大都市《とかい》から地方へ移住した人たちは、最初のうちはなれないことが多い…

けつまづく（つまづく）ことやつらいことやしんどいことがたくさんある…

そうしたご苦労を乗り越えた時に『（移住先）へ来てよかった…』と感じる。

そして、これから先もケンキョな気持ちと現地のみなさまと仲良くして行く努力を継続して行く…

…と言う気持ちを持ちつづけることである。

単に、『水曜どうでしょう』（北海道テレビ放送制作）が見たいから北海道へ移住した…

…と言うのは、ちとあいまい過ぎますよ…

目的がない・チャレンジしたいものがない状態で移住した場合は、移住先の市役所（町村役場）・ＪＡ・ＪＦ・地域の信用金庫・郵便局か移住先にある大企業の工場か移住先のコンビニやファストフード店…しかない…

または、勤めている会社の人事異動で地方へ転勤の辞令が来るのを待つしかない…

それでもだめなら、生まれ在所へ逃げ込むしかない…

…と言うことですよ。

最後に、県外へ移住したいと決めた場合に注意すべき点を書き加えておく。

仮に、大都市圏で暮らしていた20代の男性が西予市野村町へ移住したとしよう。

男性は、西日本豪雨から立ち直った野村町の姿を見て移住を決意した。

それまで勤務していた職場を強引にやめた。

そのうえに、家出同然で野村町に移住した。

なんの目的もなく、町の地域活性化事業団体に入った。

あいまいな気持ちでゲストハウスの建築の仕事を始めた。

その時、たったひとりしかいない女性が気になった。

思い切って、女性に対して好きだと告白した。

しかし、女性はすでに同じ仲間のひとりの男性と婚約していたことを聞いた。

それを聞いた当人は、失恋を苦に『ヤーメタ』で野村町を飛び出した。

ことの重大性に気づいた男性は『移住なんかするのじゃなかった…』と言うて落ち込んだ。

…と言う話を聞いてどう思いますか？

県外へ移住したいのであれば、自分の真意になんどもくり返して問いかけた上で慎重に判断しましょう。