愛し、愛され、放さない
エピローグ・依存
「―――――じゃあ…行ってくるね!」
「うん…
終わったら、すぐに帰ってきてね!」
「うん!
急いで帰るね!」
「あ!そうだ!
あのね……
ランチの時、なんだけど……」
キュッと百合のジャケットを握りしめ、窺うように見上げる。
「ん?なぁに?」
頬に触れ、微笑む百合。
「メッセージじゃなくて、電話してくれない…かな…?
声…聞きたい、な…って……」
上目遣いで言ってくる玲蘭に、百合は煽られたように口唇を重ねた。
「ん…もちろん!
じゃあ…電話するね!」
微笑み頭をポンポンと撫でて、出ていった。
玲蘭はあの日を境に、異常な依存を見せるようになっていた。
元々百合が離れないというのもあるが、玲蘭自身も百合から頑なに離れない。
外出も、一人では決して出なくなった。
“百合くんと一緒じゃなきゃ出ない”
と言うようになったのだ。
一緒に外出しても、べったりくっつく。
トイレ前でも……
「ちゃんとここにいてね?」
と何度も、念押ししてくる程だ。
駅に向かいながら、百合は顔がにやけていた。
百合の思い通りに玲蘭が依存していく。
「―――――百合くん」
「ん?」
今日も愛し合い、百合の腕枕で横になっている玲蘭。
百合を見上げた。
「百合くん、子ども欲しいとか思う?」
「ん?うーん…
そりゃあ、出来たら欲しいかな?
僕と玲蘭の“愛の結晶”でしょ?」
「私は……」
「うん」
「――――――いらない」
「え?いらない?」
「ずっと、百合くんと“二人が”いい……!」
「玲蘭…」
「だからね。
ずっと、二人でいよ?」
「フフ…うん、いいよ!」
そう言って、抱き締めた。
玲蘭も、胸に顔を埋める。
玲蘭が見上げると百合が微笑んで、二人は自然と口唇を重ねた。
――――――――――
――――――………………
僕達は、互いに依存し合っていく。
互いに愛し、
互いに愛され、
そして………
互いに放さない。
終
「うん…
終わったら、すぐに帰ってきてね!」
「うん!
急いで帰るね!」
「あ!そうだ!
あのね……
ランチの時、なんだけど……」
キュッと百合のジャケットを握りしめ、窺うように見上げる。
「ん?なぁに?」
頬に触れ、微笑む百合。
「メッセージじゃなくて、電話してくれない…かな…?
声…聞きたい、な…って……」
上目遣いで言ってくる玲蘭に、百合は煽られたように口唇を重ねた。
「ん…もちろん!
じゃあ…電話するね!」
微笑み頭をポンポンと撫でて、出ていった。
玲蘭はあの日を境に、異常な依存を見せるようになっていた。
元々百合が離れないというのもあるが、玲蘭自身も百合から頑なに離れない。
外出も、一人では決して出なくなった。
“百合くんと一緒じゃなきゃ出ない”
と言うようになったのだ。
一緒に外出しても、べったりくっつく。
トイレ前でも……
「ちゃんとここにいてね?」
と何度も、念押ししてくる程だ。
駅に向かいながら、百合は顔がにやけていた。
百合の思い通りに玲蘭が依存していく。
「―――――百合くん」
「ん?」
今日も愛し合い、百合の腕枕で横になっている玲蘭。
百合を見上げた。
「百合くん、子ども欲しいとか思う?」
「ん?うーん…
そりゃあ、出来たら欲しいかな?
僕と玲蘭の“愛の結晶”でしょ?」
「私は……」
「うん」
「――――――いらない」
「え?いらない?」
「ずっと、百合くんと“二人が”いい……!」
「玲蘭…」
「だからね。
ずっと、二人でいよ?」
「フフ…うん、いいよ!」
そう言って、抱き締めた。
玲蘭も、胸に顔を埋める。
玲蘭が見上げると百合が微笑んで、二人は自然と口唇を重ねた。
――――――――――
――――――………………
僕達は、互いに依存し合っていく。
互いに愛し、
互いに愛され、
そして………
互いに放さない。
終