愛のない政略結婚で離婚したはずですが、子供ができた途端溺愛モードで元旦那が迫ってくるんですがなんででしょう?
皮肉るように宣利さんの顔が歪む。
それを見て、ぎりと胸の奥が痛む。
「僕の望みどおり子供ができて、花琳は戻ってきてくれた。
僕はまた、子供を理由に好きでもない僕に花琳を縛りつけようとしている。
ずっと罪悪感でいっぱいだったよ」
彼がそんな気持ちだったなんて、知らなかった。
私は愛している彼に大事にしてもらえて、そこに気持ちはなくても満足しなければならないと思っていた。
でもそれって全部――。
「花琳。
僕は花琳を愛している。
もし花琳も同じ気持ちなら、これを受け取ってくれ。
違うならきっぱりと諦める」
手に持つ花束を、彼が軽く揺らす。
赤い薔薇は花火に照らされ、今の私の気持ちのように複雑な色になっていた。
「……私、は」
自分から出た声は酷くビブラートがかかっている。
「ずっと宣利さんが好き、でした」
震える手を伸ばし、花束を受け取った。
「この結婚は宣利さんにとって仕方ないものだから、離婚したいと言われればそうするしかないと思っていました。
復縁も大事なのは跡取りの子供で、私じゃないと思ってました」
ゆっくりと花束を引き寄せ、大切に抱き締める。
それを見て、ぎりと胸の奥が痛む。
「僕の望みどおり子供ができて、花琳は戻ってきてくれた。
僕はまた、子供を理由に好きでもない僕に花琳を縛りつけようとしている。
ずっと罪悪感でいっぱいだったよ」
彼がそんな気持ちだったなんて、知らなかった。
私は愛している彼に大事にしてもらえて、そこに気持ちはなくても満足しなければならないと思っていた。
でもそれって全部――。
「花琳。
僕は花琳を愛している。
もし花琳も同じ気持ちなら、これを受け取ってくれ。
違うならきっぱりと諦める」
手に持つ花束を、彼が軽く揺らす。
赤い薔薇は花火に照らされ、今の私の気持ちのように複雑な色になっていた。
「……私、は」
自分から出た声は酷くビブラートがかかっている。
「ずっと宣利さんが好き、でした」
震える手を伸ばし、花束を受け取った。
「この結婚は宣利さんにとって仕方ないものだから、離婚したいと言われればそうするしかないと思っていました。
復縁も大事なのは跡取りの子供で、私じゃないと思ってました」
ゆっくりと花束を引き寄せ、大切に抱き締める。