愛のない政略結婚で離婚したはずですが、子供ができた途端溺愛モードで元旦那が迫ってくるんですがなんででしょう?
花火も終わり、入浴を済ませて一緒のベッドでごろごろする。

「離婚する前の宣利さんはずっと真顔だったので、そんなにこの結婚が気に入らないのかと思ってました」

「あー……」

長く発し、彼はどこでもないところを見た。

「花琳が可愛くて堪らなかったよ?
でも、僕の気持ちを知られて気を遣わせるのが嫌だなって、崩れそうになる顔を必死に引き締めてた」

思い出しているのか、おかしそうに宣利さんはくすくすと笑っている。

「子供ができたってわかってからはもう、我慢できなくて。
……いや。
今まで我慢していた反動?
花琳を可愛がりたくて可愛がりたくて仕方なくなってた」

証明するかのようにちゅっと軽く唇が重なった。

「オーベルジュでの結婚式を計画してるんだ。
……あ。
これはまだ、秘密だったんだった」

嬉しすぎてつい口を滑らせたのか、しまったといった顔を彼がする。

「ま、いっか。
どうせドレス選びとかしないといけないしね」

ふふっと小さく笑った彼は本当に幸せそうで、見ている私まで幸せになる。

「でも、結婚式はしたじゃないですか」

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