愛のない政略結婚で離婚したはずですが、子供ができた途端溺愛モードで元旦那が迫ってくるんですがなんででしょう?
「お義母さん。
心配事があるなら、なんなりと言ってください」
真摯に宣利さんが母に問いかける。
しばらく彼の顔を見つめたあと、母は諦めたように小さくため息をついた。
「……娘にも宣利さんにもこんなに心配させるなんて、ダメな母親ね」
自嘲するように小さく落とし、気持ちを落ち着けるように母は紅茶をひとくち飲んだ。
「やっぱりなにかあったんだ」
うんとひとつ、母が頷く。
「お父さんには絶対に、花琳には言うなって言われたんだけどね」
話す覚悟を決めたいのか、母は長く息を吐き出した。
「宣利さんが紹介してくれた、ツインタワーへの出店の話、ダメになったの」
「……え?」
それは初耳だった。
宣利さんの顔を見るが、彼も知らないのか首を横に振る。
「なんで……」
「わからない。
とにかく急に、この話はなかったことにしてくれって言われて」
母は困り果てているが、それはそうだろう。
開店に向けてもうそれなりに動いている。
それをいきなり、なかったことにしてくれなんて。
私に話をしたあと、宣利さんは父へ話を持っていった。
父は私と同じ考えで、出店を渋ったらしい。
心配事があるなら、なんなりと言ってください」
真摯に宣利さんが母に問いかける。
しばらく彼の顔を見つめたあと、母は諦めたように小さくため息をついた。
「……娘にも宣利さんにもこんなに心配させるなんて、ダメな母親ね」
自嘲するように小さく落とし、気持ちを落ち着けるように母は紅茶をひとくち飲んだ。
「やっぱりなにかあったんだ」
うんとひとつ、母が頷く。
「お父さんには絶対に、花琳には言うなって言われたんだけどね」
話す覚悟を決めたいのか、母は長く息を吐き出した。
「宣利さんが紹介してくれた、ツインタワーへの出店の話、ダメになったの」
「……え?」
それは初耳だった。
宣利さんの顔を見るが、彼も知らないのか首を横に振る。
「なんで……」
「わからない。
とにかく急に、この話はなかったことにしてくれって言われて」
母は困り果てているが、それはそうだろう。
開店に向けてもうそれなりに動いている。
それをいきなり、なかったことにしてくれなんて。
私に話をしたあと、宣利さんは父へ話を持っていった。
父は私と同じ考えで、出店を渋ったらしい。