愛のない政略結婚で離婚したはずですが、子供ができた途端溺愛モードで元旦那が迫ってくるんですがなんででしょう?
「うっ」

その長い人差し指で額を小突かれ、返す言葉がない。

「なにもなかったらなにもなかったでいいんだし。
わかったか」

「……はい」

レンゲを行儀悪く口に咥え、了承の返事をした。

食べ終わったら今度は、宣利さんに寝かしつけられた。

「ひとりで寝られますよ」

「いいからさっさと寝ろ」

抗議したものの、無理矢理枕に押さえつけられる。
枕元に座り、子供を寝かしつけるみたいに身体をぽんぽんと軽く叩いてきた。

「……子供扱い」

唇を尖らせたら、すかさずそこにキスされて黙ってしまう。

「んー?
じゃあ、ついでに子守歌を歌ってやろう。
London Bridge falling down……」

優しい歌声がダウンライトにした、薄暗い部屋の中に響く。
それが酷く心地よくて、お腹も満たされたのもあってそのうち眠っていた。



翌日、朝一で宣利さんに病院へ連れていかれた。
異常はなかったが案の定、動きすぎだと注意された。

「大事なかったからいいけど、花琳は無理しすぎ」

「ううっ……」

家に帰り、今日は安静にしておくようにと宣利さんに無理矢理、ベッドへ入れられた。

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