涙空
 今すぐ、その顔に、突き立つナイフで八つ裂きにしてやりたい。






 男は静かに立ち去った。






 雨が降り始めた。






 本を抱え。校舎を出た。






 背中は、保健室で包帯を勝手にもらい、巻きつけた。






 ふらつく足で自宅へ向かった。






 本にはしっかり














      赤い血痕が消えずに残っていた。
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