そんな簡単に彼女を決めていいんですか? ~偶然から始まる運命の恋!?~
 すると、彼女は少し考えて。

「そりゃそうよ。自分で言うのもなんだけど、私に落とせない男はいないってね。それに、実はバツイチ」

 はっ…つ耳なんですが。

「恋愛上級者どころか、言うなればプロ?あー、でも離婚してるからプロじゃないわね」

 知らなかった。
 結婚までに付き合った男性も両手では足りないそう。

「どうしてそんな顔するの?意外だった?」
「はい。だってそんな風には見えなかったから」
「理知的で清楚。どう?自分のこと良く分かってるでしょ?それにあなたより人生長いしね。化けるのが上手くなるの。清楚なフリとかね」

 だとしたら、原田先生ご愁傷様です。
 
「結婚なんて化かし合いよ」

 そうでしょうか。ちょっと夢がないような。
 バツイチだから言えるのかも。 

「でもね、あなた達を見ていると、こっちも幸せになってくるの。そろそろ行こうか」

 伝票を持つと、彼女は先に歩きだしたのだった。
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