そんな簡単に彼女を決めていいんですか？　～偶然から始まる運命の恋！？～
　それに間宮さんとあの男たちが正直に話をするとも思えない。
　加えて、実際私が暴力を受けたのは男たちじゃなくて、間宮さん。
　男たちを訴えることは難しい。
　
「彼とも話したんだけど、告訴しても立件までは難しいかも」

　肩をすくめる飯塚さん。

「ですよね。でもいいんです。間宮さんが反省してくれれば」
「吉永さんを守れなかったのは、あんたの責任よ。涼介」
「ああ、分かってる。だから今後は美里から離れない」
「そうね。ナイトとして彼女を守るのよ」
「分かってるって」
「あの、飯塚さん。涼介さんを責めないで」
「お邪魔虫は消えよ～っと」

　髪をひるがえして、彼女は病室を後にした。

「俺がどんな気持ちでいたか」

　涼介さんはイライラっと髪をくしゃくしゃする。

「私も分かってる。涼介さんの気持ち」
「そうだね。あいつに分かんなくても、美里が分かってくれてたらいいんだ」
「ちょっと疲れちゃった」
「横になる？」
「お願いがあるの。このまま涼介さんの胸で眠ってもいい？」

　彼は優しく私を両手で包んでくれたのだった。




　








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