そんな簡単に彼女を決めていいんですか? ~偶然から始まる運命の恋!?~
 以前、窓際に置かれていたダブルサイズのベッドがキングサイズに変わっていた。

「二人で一緒に眠れるように変えておいた」

 ……。

「服とかは勝手に移動したら良くないかと思って、そのままだから美里の調子の良い時に一緒に移動しよう」

 背中を押されてベッドへ進む。
 二人で寝ころんでも十分な広さ。むしろ余るくらい。

「どう?気に入った」
「は…い」 

 さっきからドキドキが止まらない。久々のドキドキ。
 ここで涼介さんと一緒に夜を過ごすの?
 考えただけで、体が熱くなってくる。

「私の部屋見て来ますね」
「待って」

 大きな大きなベッドの上に押し倒される。

「あの、私すごく疲れていて…」
「分かってる。だからこれだけ」

 重なる唇。

「う、ん……」

 この感覚もすごく懐かしい気がして、でもすごく欲しかった。彼の唇。

 互いの吐息が室内に漏れる。

「涼介さん、ちょっと、待っ……」

 キスだけだって言ったのに。

「だ、だめ。だってまだ明るい……」
「だから?」

 彼の手は嫌がる私を無視して服のボタンを外していく。

「やっ、恥ずかしいから」

 初めて結ばれた夜の感覚を体が想い出したみたいで、頭では拒否しなくちゃって思うのに、体が言うことを聞いてくれない。

 むしろ彼を受け入れようと、敏感に反応してしまうから……。

 いつの間にか明るかった室内には、夕日が差していたのだった。
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