そんな簡単に彼女を決めていいんですか? ~偶然から始まる運命の恋!?~
「大した事じゃないなら教えて下さい」

 やぱり間宮さんの様子は変だ。
 阿久津社長は小さくため息をついた。

「吉永さんに彼氏がいるか聞いただけだよ」

 少し面倒臭そうに社長は答えた。
 
 そうでしょう。そうでしょうとも。
 私に彼氏がいるかどうかなんて、お二人にとってはどうでもいい話のはずですよね。

「重要じゃないですか!で、いるんですか?」

 間宮さんの瞳がきらめいて見えた。

 はぁ?
 何故あなたにとって重要なんですか?

 もう私には何がなんだか分からない。
 阿久津社長が私に向き直ると、少し前のめりになった。

「見ての通り、間宮が気にしているんだ。君に彼氏がいるかどうか」

 な、なんで?
 さっきから二人とも寄ってたかって何なの。
 平凡ないち社員に彼氏がいるとかいないとか。
 それがおおごとなわけ?

 それとも、この二人は賭けみたいなことをしているのかしら?
 だからそんなに気にしている的な?
 
 だとしたら、間宮さんはどちらにかけたのだろう。
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