そんな簡単に彼女を決めていいんですか? ~偶然から始まる運命の恋!?~
 彼氏は”いない”が正解なのだけれど。

 ここで本当のことを言っていいのか正直迷う。
 二十七にもなって彼氏がいないとか、実際馬鹿にされないだろうか?
 プライドだってあるし。

 私の中の天使と悪魔が囁きあっている。

 正直こそが取り柄ではなかったの?
 見栄で嘘なんて言ったって、何もいいことなんてない。
 
 いやいや、お前にだってプライドはあるだろう。
 恥をかきたいのか?

「吉永さんっ」

 相変わらず彼女はせっかちなようで。

 間宮さんに促されて私が出した答えは──。

「います。大学時代から付き合っている人が…」

 結局見栄が勝ってしまった。

「良かったぁ」
 
 瞳を輝かせて間宮さんは両手を胸の前で組むと、嬉しそうにぴょんぴょんと跳ねる。

 何故、間宮さんが喜ぶのか、やっぱり謎?

「私の勝ちですね、社長」
「の、ようだね」

 や、やっぱり賭けをしていた!?
 信じられない。
 そんなことで私を呼び出したの!?
 社員をだしにして最悪。

 
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