情愛漂う財閥社長は、一途に不遇女子を寵愛する。



 それから三日後のこと。


「どういうことなの……!?」


 愛湖と継母のヒステリックな声が屋敷に響いた。
 まぁ、その時はまたふたりのわがままでギャンギャン言っているのだと思って玄関の掃除を呑気にしていると激怒した愛湖がこちらに向かってきてバシーンと音が響いて体が床に倒れそうになった。

 そして遅れて頬が痛む。


「……っなんでよ!」

「え? どうか、されましたか」


 落ち着いてそう問いかけると、朝とは変わり別人のようでワナワナと怒りに震えているようだ。

 その後ろから継母が下品な感じにヅカヅカと歩いてきて立ちあがろうとしたのにまたも殴られてしまった。



< 10 / 61 >

この作品をシェア

pagetop