情愛漂う財閥社長は、一途に不遇女子を寵愛する。
「どーして縁談相手の名前が愛湖じゃなくてあんたなのよ!」
「……え、っと。話がわからないのですが」
「……っ……」
急に殴られて、怒りをぶつけられて説明してくれないとわからないんだけど。
「まぁ、いいわっ……あんたは、明後日まで掃除も何もかもしなくていいわ!」
「え」
そう私に叫ぶと、彼女付きのメイドと従者に何かを告げた。
「……っ……」
そして、後ろから押さえつけられてどこから取り出したのかわからないけど白い布で鼻よりの口元を押さえつけられる。
するとだんだんと意識がふわふわしてきて頭が真っ白になり、同時に、体が浮いた感じがしてすぐに意識が失ってしまった。
次に目を覚ました時、私がいたのは屋根裏部屋だった。数年ぶりにきたけど……埃臭い。まぁ、掃除をしてないからだと思うけど。
それに、私が動かないように手足が縛られている。
「これ、明後日までこの状況が続くの……? え、身体痛めそうなんだけど」
頬もヒリヒリして痛いし冷やしたいんだけどなぁ……