情愛漂う財閥社長は、一途に不遇女子を寵愛する。



「君とは、亡き前当主の優美さんから紹介されて会ったことがあるんだ。自分がいなくなったらと、君を託されていたし、知っているよ。それに、最近辞めた料理長がいただろう?」

「えっ、あ、はい。私を優しくしたせいで辞めさせられてしまいましたが……」

「それ、私の部下だ。私が君を迎える準備が整うまで見守るように言っていたんだ。だから、準備が出来たから辞めて戻ってくるように言ったんだよ。だから君は悪くない」


 えぇ?じゃあ、辞めたのは自主的で『仕方ない』と言ったのは藤沢社長に言われたから?


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