情愛漂う財閥社長は、一途に不遇女子を寵愛する。
懐かしい料理
朝になり起きると、タイミングよくドアがノックされた。返事をして、ドアを開けると着物を着た女の人がいた。
「おはようございます……お早いですね?」
「あ、はい。癖で……」
この人は、確か藤沢家の使用人の鮎坂さん。
慣れるまで都合が悪いだろうと八尋さんが付けてくれた専属の家政婦さんだ。
「優菜さま、こちら旦那様からの贈り物です。一先ずはこちらをお召しになるように言付けられました」
鮎坂さんは、紙袋を差し出すと微笑む。
「……ありがとうございます」
私は紙袋を受け取り、紙袋を見るとブランド物の名前とデザインがある。
恐る恐る紙袋を開くと、その中にはザ高級品という感じのワンピースが入っていた。ふんわりとしたスリーブに裾まわりにギャザーを寄せて丸み持たせたバルーンシルエットでフェミニンな印象に仕上げた一着で、生地はシルクで弾力があり触り心地も抜群だった。前に雑誌に掲載されていたから高級品だとわかる。けど……なんか違う?
私はそれを着替えるために鮎坂さんには退室してもらうと、ルームウェアからパパッと着替えた。