情愛漂う財閥社長は、一途に不遇女子を寵愛する。
「……ありがとう、鮎坂さん。今日も素敵ね」
「ありがとうございます。優菜様はやり甲斐がありますから」
それから服を整えると、またタイミングよく八尋さんがやってきた。
「優菜ちゃん、おはよう」
「八尋さん。おはようございます」
八尋さんは私と食堂へ行くためにこの時間に来る。私が挨拶をすれば優しく微笑んで「食堂に行こうか」と彼が言うと、毎朝同じように私を横抱きにして食堂に向かった。