情愛漂う財閥社長は、一途に不遇女子を寵愛する。
縁談話
寒さが和らいできて春が近づいている今日この頃。
私は、いつもと変わらない朝を迎えていた。朝食が終わって今は絶賛、昼食の仕込みをしている。
「玉ねぎ、つら……」
今日の父たちの昼食はナポリタンとサラダだ。
時間にうるさい父たちの分から作り始めるのでまずは玉ねぎの皮を剥き、半分に切ってから根っこをV字にカットしてから扇形に包丁をいれて薄切りをする。そしてピーマンやベーコンも同じ幅で切って料理人さんたちが作りやすいように保存容器に入れて冷蔵庫に入れておく。
その次に蔵人さんたちの昼ごはんと事務の方接客係の方への賄いの下準備をする。
メニューは、根菜類の煮物に牛蒡のきんぴらに漬物と三種類の小鉢、野菜たっぷりの粕汁に白米だ。
「優菜様。下準備してくださったんですか?」
「料理長。……うん、少し時間が余ったから」