情愛漂う財閥社長は、一途に不遇女子を寵愛する。




「美味しそう……」

「朝市場で、美味しそうな鮭があったと言っていたからそれで朝食のメニューになったんだろう。料理酒は、酒井のだよ」

「あ、ありがとうございます」


 酒井()はあまりいい思い出はないけど蔵人たちはよくしてくれたし、頑張ってくれていた。だから素直に褒められて嬉しい。


「……食べようか。冷めてしまうよ」

「そうですね。温かいうちに食べましょう」


 私は手を合わせて挨拶をすると、箸を持ち食べ始めた。




< 30 / 61 >

この作品をシェア

pagetop