情愛漂う財閥社長は、一途に不遇女子を寵愛する。
「美味しそう……」
「朝市場で、美味しそうな鮭があったと言っていたからそれで朝食のメニューになったんだろう。料理酒は、酒井のだよ」
「あ、ありがとうございます」
酒井はあまりいい思い出はないけど蔵人たちはよくしてくれたし、頑張ってくれていた。だから素直に褒められて嬉しい。
「……食べようか。冷めてしまうよ」
「そうですね。温かいうちに食べましょう」
私は手を合わせて挨拶をすると、箸を持ち食べ始めた。