情愛漂う財閥社長は、一途に不遇女子を寵愛する。
「初めまして、私――」
「……ゆなちゃん?」
「え?」
初対面のはずなのに、私を名前で呼ぶなんて……知ってる人?というか、すごくかっこいい人だなぁ……ダンディで。
「……覚えてないのも無理はないか。君がこれくらいの小さい頃に会ったっぷりだからな」
「えっ、……と……」
初対面じゃないことに驚いていれば、後ろから「父さん」と八尋さんがやって来た。
「八尋。おまえがお迎えなんて初めてだな」
「父さんが早く来すぎなんだ」
「いいじゃないか。ゆなちゃんに会いたかったんだよ、
八尋は相変わらずだな。ハハっ」
立ち話をしていると大旦那さまの秘書さまらしき人が「そろそろ中で話しませんか」と言ってくださり、中に入ってリビングへと皆で向かった。