情愛漂う財閥社長は、一途に不遇女子を寵愛する。



「……優菜様? どうかされました?」

「あ、いや。なんでもないです……少し疲れたのかも」

「大旦那様にお会いしたんですもの無理もないですよ。少しでも落ち着けるようにマッサージいたします。アロマもリラックス効果のある優菜様が好きな柑橘系であるオレンジスイートを垂らしますね」

「ありがとう……」


 鮎坂さんはにっこりと笑って準備をしに部屋から出ていった。彼女はあったかいお湯とホットタオルにオイルを持ってすぐに戻ってきた。

 私はベッドからソファに座ると、足をホットタオルで温められる。


「熱くはないですか?」

「温かくて心地いいです」

「良かった。温めてからリフレしていきますね」


 鮎坂さんはいつものように手際よく作業をして、オレンジスイートのアロマを垂らしたマッサージ用オイルを手に取って足に優しく塗りいい感じの力加減でマッサージを施してくれる。




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