情愛漂う財閥社長は、一途に不遇女子を寵愛する。
「本当に鮎坂さんってマッサージ上手ですね。気持ちいいです」
「恐れ入ります。ありがとうございます」
マッサージ後には落ち着くようにカモミールティーを出してくれて、憂鬱だった心が落ち着いてくるのがわかる。
すると、なんだか冷静に考えられるようになって私はカモミールティーを全部飲んでから八尋さんを訪ねようと部屋から出ると下から聞いたことのある大きくて女性のヒステリックな声が聞こえてきた。
「……お継母様に、愛湖?」
お父様の声はしないのでいないっぽいけど、二人できたのだろうか?
八尋さんを訪ねようと思ったけど彼女らがいるってわかったら足が動かなくなる。
ここにくるまでは、負けたくない気持ちがあって顔を合わせるのも嫌な気持ちにはなっていたけど全く大丈夫だったのに。
自分が弱くなっていることにショックを受けて、私はまた部屋に戻った。