情愛漂う財閥社長は、一途に不遇女子を寵愛する。



「もちろんお似合いですよ。さすが旦那様です」

「確かに八尋さんのデザインも天才的で素敵なんだけど、浮いてないかしら?」

「そんなこと全くございませんよ。素敵です……さぁ、髪もセットいたしましょうね」


 鮎坂さんは私にドレッサーへ座るように促し、今から使う道具たちをカートで持ってきて髪をとく。

 慣れたように髪をいじり編み込みをしてアイロンでくるくると内巻きと外巻きをランダムにした。パールのついた髪飾りを散りばめると髪型はセット終了してその次は、メイクを施される。
 パーティーなので少しだけ派手目だが、濃いメイクではなく上品になっている。唇にはプラムカラーを塗っており、少し大人っぽい顔となっていて別人になっていた。


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