情愛漂う財閥社長は、一途に不遇女子を寵愛する。
「藤沢社長、今日は娘を連れて来たんですよ。……サチ」
後ろから出て来たのは可愛らしいご令嬢。
この流れは、きっと、また結婚相手にどうですか?と言うやつだろう。だってこの方に挨拶する前も何人か紹介されたし……
「初めまして、藤沢社長。私、篠倉サチと申します。お見知り置きを」
可愛い笑顔で言う彼女は一瞬で恋に落ちたようで乙女の顔をしていて、八尋さんを見つめていた。
「藤沢社長はまだ結婚していらっしゃらないようですし、うちの娘なんてどうでしょう」
「私には心に決めた相手がいますので、お断りいたします。そうだ、紹介します」
同じ流れで私は篠倉さんへも紹介を受け、同じように自己紹介をする。