情愛漂う財閥社長は、一途に不遇女子を寵愛する。



「初めまして、私、酒井優菜と申します」


 私が挨拶をすればサチさんに睨まれたけど、愛湖に比べれると痛くも痒くもない。可愛いものだ。


「……藤沢社長と酒井さんはどういった関係なのですか?」

「あぁ、私の特別な人ですよ。そうだ、後でまた父と挨拶させていただきますね」

「えっ、藤沢社長」


 二人は何か言いたげに八尋さんを呼び止めようとしたが彼は営業スマイルをして私の肩を抱いて挨拶を再開させた。


 時間が経ちパーティー開始時間になると、ステージに登壇されている八尋さんのお父様……藤沢会長が見えた。


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