もう、あなたを愛したくありません〜ループを越えた物質主義の令嬢は形のない愛を求める〜


(やっとお出ましね! ついにアレを使う時がやって来たわ!)

 マルティーナはポケットに忍ばせてある魔道具を、確認するようにぎゅっと握り締める。恋人の説明によると、これは今はもう消滅した魅了魔法のマナが封じられているものらしい。
 彼はこれを使って、元婚約者(キアラ)を操って己の功績を作るつもりのようだった。愛しの恋人と結婚するために。

 しかし、これはもう無用の長物だ。それ以前に、恋人の物は自分の物。これは自分が使用する権利があるはずだった。

(見てなさい、伯爵令嬢! あなたの不名誉な噂を真実にしてあげるわ!)

 子爵令嬢はそっとその場を離れて、標的のほうへ動き始めた。




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お読みいただきありがとうございます
すみません、体調不良が続いていたので一旦休止していました
また頑張りますので、よろしくお願いいたします
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