もう、あなたを愛したくありません〜ループを越えた物質主義の令嬢は形のない愛を求める〜


 会場内が皇后の威圧感で支配されようとした、その時だった。

「陛下! 大変ですっ!!」

 侍従の一人が血相を変えて、大慌てで議会の場へ飛び込んで来た。
 そして咎める皇后を通り過ぎて、指先を震わせながら皇帝に耳打ちをする。

 すぐさま議会は中止されて、皇帝は足早に執務室へと向かった。
 第二皇子と子爵令嬢の婚約宣言がなされ、同時に皇太子と伯爵令嬢の不名誉な噂が消えた瞬間だった。
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