もう、あなたを愛したくありません〜ループを越えた物質主義の令嬢は形のない愛を求める〜

39 思惑通り

 レオナルドが皇都へ戻った時は、もう遅かった。

 キアラは騎士たちに捕らえられて王宮の牢獄へ。それに伴い彼女の商会は皇帝命令によって事業の休止、リグリーア伯爵家は屋敷に軟禁状態だ。

 全てが、停止してしまった。







「私は、皇后陛下に魔獣の調査を任されていたのです」と、ダミアーノが得々と言う。

 議会では査問会議が開かれていた。「伯爵令嬢の婚約者である皇太子が帰還後が望ましい」と皇帝の一言で、会議はレオナルドが戻るまで待たされた。

 皇太子派閥の者たちは、主が帰って来る前にどうにかして伯爵令嬢を救おうと画策したが、皇太子という剣と盾がいない状況ではとても皇后に太刀打ちできなかった。
 なので、レオナルドは万全な準備が出来ずに会議を迎えたのだった。
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