もう、あなたを愛したくありません〜ループを越えた物質主義の令嬢は形のない愛を求める〜
「レオナルド様……?」
キアラは、舞い上がる黒煙から目が離せなかった。
獣の咆哮に混じって、爆発音が聞こえた。すると偽物の魔女のマナの、あの腐ったような嫌な匂いが広がって、ぞくりと急激に寒気が襲って来た。
あの方向は、レオナルドが向かった場所だ。彼に想定外の不穏な事態が訪れたのは間違いない。
(そんなっ……!)
キアラは顔面蒼白で、一直線に婚約者のもとへと向かった行った。
胸がざわついている。
嫌な予感がする。