もう、あなたを愛したくありません〜ループを越えた物質主義の令嬢は形のない愛を求める〜


「アアああガガガあああァ……」

 かつでダミアーノだったものは、手脚を斬られ、もうまともに動けなかった。それでもキアラの憎悪だけは止まらず、彼女に向かって動こうともがいている。

「潮時だな」

 レオナルドはおもむろに剣を構える。

 そして、

 化け物(ダミアーノ)の心臓を一突きした。

「あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!」

 紛い物の魔女のマナが周囲に飛び散って、黒い煙と臭気が広がる。
 それらが晴れた残骸には、肉塊のようなものがべしゃりと潰れていた。

 キアラは黙ってそれを見つめる。
 悲しいとか悔しいとか寂しいとか、そこに無駄な感情は少しも残っていなかった。

 さようなら、大嫌いな(ひと)
 地獄に落ちてくださいね。
 永遠に…………。



 


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