もう、あなたを愛したくありません〜ループを越えた物質主義の令嬢は形のない愛を求める〜








「キアラ様、今日は本当に美しいです!」

 ジュリアが満面の笑みを浮かべながら、キアラを姿見の前へ連れて行った。

「本当に綺麗で……女神のようですぅ〜!」

「ありがとう。はい、これどうぞ」

 キアラは絹の袋から金貨を一枚取り出して、侍女に手渡す。

「まいど〜! って、これ、金貨じゃないですか!?」

 彼女は目を丸くして手元の金貨と主を交互に見た。
 キアラはいたずらっぽく笑って、

「今日は特別な日だから。ご祝儀よ?」

「ご祝儀って……。祝われる方が配ってどうするんですかー!」

「いいのよ。これが私のやり方だから」

「キアラ様は気前が良すぎますー! まいどですー!」

「うふふ」
< 220 / 221 >

この作品をシェア

pagetop