もう、あなたを愛したくありません〜ループを越えた物質主義の令嬢は形のない愛を求める〜
◇
「キアラ様、今日は本当に美しいです!」
ジュリアが満面の笑みを浮かべながら、キアラを姿見の前へ連れて行った。
「本当に綺麗で……女神のようですぅ〜!」
「ありがとう。はい、これどうぞ」
キアラは絹の袋から金貨を一枚取り出して、侍女に手渡す。
「まいど〜! って、これ、金貨じゃないですか!?」
彼女は目を丸くして手元の金貨と主を交互に見た。
キアラはいたずらっぽく笑って、
「今日は特別な日だから。ご祝儀よ?」
「ご祝儀って……。祝われる方が配ってどうするんですかー!」
「いいのよ。これが私のやり方だから」
「キアラ様は気前が良すぎますー! まいどですー!」
「うふふ」