もう、あなたを愛したくありません〜ループを越えた物質主義の令嬢は形のない愛を求める〜
(なぜ、ここにキアラ・リグリーアがいる……!)
レオナルドは驚愕していた。
またしても、またしても伯爵令嬢と再会してしまった。
七回目の人生は想定外のことばかりだ。主に伯爵令嬢のことで。
(もう顔色は良くなっているな)
レオナルドはキアラと最後に会った凱旋パーティーを思い出した。
あの日、彼女は今にも倒れそうにフラフラと歩いていて、顔を覗き込むとまるで死人みたいに真っ青だった。
そのうえ婚約者の公爵令息とは不穏な空気だし、気になっていたのだ。もちろん赤い瞳のことも。
すっかり回復しているキアラを見て彼はほっと安堵して、
(……いやいやいや。俺はなんでこの女のことを心配しているんだ。自分の仇敵だぞ)
はっと我に返った。
心配なんてしている場合ではない。彼女は自分にとって殺すべき相手なのだ。今さら同情や親しみなんて――……、