パパLOVE
そして次の日も、また次の日も、またまた次の日も、毎日のように朝登校すると机の中にはNさんからの手紙が届いていた。

手紙の字を見る限り、少し丸みかかった柔らかい感じから女性のような気がした。

別に女性でも男性でも構わない。

私を応援してくれるなら、どんな人でもありがたい。

そしていつしか私はNさんからの手紙を読むのが楽しみになっていて、学校へ行く足取りも軽くなっていた。

隣の席の西島くんと飯田くんも私のことを気遣ってくれて、頻繁に声をかけてきてくれるし、移動教室も一緒に行ってくれたり、お昼も食堂で3人で食べるようになっていた。

また、私を気にかけてくれている隣の席の西島くんとはよく目が合った。

彼は私と目が合うと恥ずかしそうに目を反らした。

私だって恥ずかしいんだけどなぁ。

時には気まずそうに私の持ち物の話題を持ちかけてくれた。

「そのディズニーの筆箱かわいいね?」

彼はそう言ってくれたけど、このキャラクターはディズニーではない。

正しくはサンリオのキャラクターだった。

でも、せっかく彼が話しかけてくれたので訂正はしなかった。

そして日を重ねる毎に、私は西島くんのことが気になり始めていた。

つまり…私は彼に恋心を抱いてしまっていた。

好きになってしまっていた。

だから、彼のことが気になって、彼のことが何でもいいから知りたくて、いつも彼に気づかれないように彼のことを見ていた。

意外にも、私と彼の好きなものは似ていた。

私は音楽はK-POPと洋楽を聴いているけど、彼も私と同じアーティストの音楽を聴いていた。

また、私は小説を読むのが好きで、暇さえあれば沢山の小説を片っ端から読みあさっていた。

特に、本屋が選んだ小説大賞の本や直木賞などの本、実写映画化された原作の本などを読むことが多かった。

彼も同じ趣味なのか、私と同じ本を読んでいることが多かった。

そんなことあるって思ったけど、目の前の現実だから信じるしかない。

嬉しかったし、共通の趣味について話がしたかったし出来ればいいのにと思っていた。

でも結局、私は話すのが苦手だから無理なのはわかっていた。
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