パパLOVE
「西島さん、お疲れさま」

「店長、お疲れさまでした」

「最後の方、めちゃめちゃ頑張ってたけど何かあった?」

「パパがお客で来てたんで」

「それで張り切っちゃったって訳か。なるほどね」

「このあと、夕食を食べていきます」

「そう、ごゆっくり」

それから急いで着替えて、席で待つパパのもとに向かった。

「パパ、待たせちゃってゴメンね」

「全然だよ。お疲れさま、疲れたでしょ?」

「パパがいるから張り切っちゃった」

「来ない方が良かったかな?」

パパはいたずらっぽく笑っていた。

その顔がとても可愛く感じられて、私もつられて笑顔になった。

「そんなことない。来てくれてありがと」

そう言ったあと、私はパパの向かい側ではなく隣に座った。

出来るだけ近くでパパを感じていたかったから。

「香澄は何食べる?」

「う〜ん…」

「今でもファミレスに来るとエビドリアとフライドポテトとドリンクバーなの?」

「うん」

パパが覚えていてくれたことに嬉しくなって、気付くとパパに寄り添っていた。

パパは何も言わず、私の頭を優しく撫でてくれた。

「飲み物を取りに行こう」

「うん」

席を立つと、私はパパと腕を組んでドリンクコーナーに向かった。

すると料理を運んでいる店長と鉢合わせをした。

「あっ‥店長、お疲れさまでした」

「お疲れ」

「こちらが私のパパです」

「香澄の父親の西島です。いつも娘がお世話になっています」

「どっ‥どうも、初めまして…店長の中山です。いつも娘さんには頑張ってもらってます」

店長は挨拶をしながらパパと握手を交わしていた。

どういう挨拶だよ。

「今後とも宜しくお願いします」

「こちらこそ」
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