パパLOVE

入学式当日。

柊木に付き添われて学校に行くと掲示板にクラス表の紙が張り出されていた。

私は5組だった。

柊木は私を5組の下駄箱まで案内してくれると「いつでもお呼びになれば直ぐに駆けつけます。それとあとで挨拶をしに顔を出すと思いますので」と言って学校をあとにした。

柊木は何のことを言っているのかしら?

意味がわからなかった。

靴を履き終えて3階にある1年のフロアに向けて歩いていると、2組の下駄箱の前で彼の妹を発見した。

久しぶりに顔を見たけど、小さい時の面影が色濃く残っており直ぐにわかった。

私は妹が私を憶えているか確かめるべく、彼女の前に立ってみた。

「何ですか?私に何かようですか?」

相変わらずの性格のようだし、やはり私を憶えてはいないようだった。

「何でもないわ。私のようなお金持ちのお嬢様があなたのような一般庶民に話しかけるとお思いですの?身分をわきまえなさい」

「感じ悪っ。何なの?」

気の強さは変わってなさそうだった。

それに何をしでかすかわからない危うさは今も健在だった。

「ご機嫌よう」

私がその場を立ち去ると、背後で妹がブツクサと文句を言っているのが聞こえてきた。

こんなのに関わるとろくなことがなさそうね。

それから私は自分の教室ではなく、2年のフロアがある2階に向けて歩き出した。

2年のクラス表も柊木に調べさせて、彼のクラスが4組であることはわかっていた。

だから彼の生の姿を見に、2階へと続く階段をドキドキしながら一歩一歩、歩みを進めて行った。

「はじめまして」

1階から2階へあがる途中の踊り場で男子生徒に声をかけられた。

初めて見る顔だった。

「どちらさまかしら?」

「その前に、どちらへ行かれるつもりですか?」

「あなたには関係のないことよ」

「いいや、そんなんおまへん。お嬢さまは三枝快斗に会いに行かれるとお見受けできるけど、どうでっしゃろか?」

彼は私の知り合いには1人いない関西なまりの人だった。

それに私の勝手な偏見だけど、関西弁は少し怖い。

「だったら何?」

「やったら、うちがご案内させて頂きます。お嬢様…」

「お嬢様?あなたは一体誰なの?」

「僕は仁神月(にかみ らいと)と申します」
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