パパLOVE
「やめてっ、見ないでっ」

「えっ…これってどういうこと?私にお兄ちゃんがいるの?快斗ってもしかして…」

「・・・・・」

止められなかった。

絶対に知られてはいけなかったのに…。

私のせいだ。

こんなところに連れて来るんじゃなかった。

妹に真実を教えるなんて言うんじゃなかった。

「快斗って、三枝先輩のこと?」

「それは…」

「三枝先輩が私のお兄ちゃん?ウソでしょ?」

「そうよ…あなたの言うとおりよ。もういいでしょ?その紙を私によこしなさい」

私は詩美から体を振り解くと、再び妹から紙を奪い取ろうと手を伸ばした。

「ちょっと待って…これってどういうこと?どうしてママが…」

終わった…

妹に1番知られてはいけない秘密を知られてしまった。

ごめんなさい…

本当にごめんなさい。

三枝詩織さん…

あなたに何て言ってお詫びをしたらいいのだろう?

何て謝れば許してもらえるだろう?

あなたが築いてきたこの10年あまりの人生を私は一瞬で台無しにしてしまった。

取り返しのつかないことをしてしまった。

余りのショックで私はよろめいてうしろに倒れそうになると、近くで私たちの様子をうかがっていた柊木が抱きかかえてくれた。

「柊木…どうしたらいい?私のせいで全てを知られてしまったわ」

「お嬢様のせいではありません。全ての歯車が既に回り始めてしまっていたのです。西島香澄様に真実を知られてしまうのは時間の問題だったんです」
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