パパLOVE
「ほんなこつ担任の沢田ってウザかっちゃけど」

彼女は新庄芽衣。

見た目は普通の女子高生。

髪はショートカットで、芸能人の広末涼子によく似ていた。

いや、似ているのがわかってて、あえてそれに寄せているようにも感じた。

また、童顔の可愛らしい顔と健康そうな小麦色の肌は男子から人気があった。

芽衣は福岡県出身で親の仕事の都合で中学2年の時に館山市に引っ越して来た。

だから芽衣が話すのは博多弁。

博多弁と言えば可愛い方言ランキングで1位に選ばれるほど人気のある方言だった。

確かに博多弁を話す女子って可愛い。

でも時々、何を言ってるかわなからない時もある。

「3時間目は社会のつまらない授業ですし、抜け出してきて正解ですよね」

彼女は黒谷沙弥。

クラスには1人はいるようなガリ勉女子。

メガネにおさげの髪型は学級委員長でもやってそうな感じだ。

何でそんな沙弥が私たちと授業をサボっているかと言うと、勉強が退屈でつまらないから。

普通は授業が難しくてついて行けないから、退屈でつまらないと思ってしまうけど、そうではなかった。

沙弥は学校で教える勉強が簡単すぎて授業を受けても仕方ないという理由からだった。

それを聞いた時は私も芽衣も爆笑だった。

でも、不思議と嫌な感じはしなかったし、自然と受け入れることが出来た。

ちなみに沙弥は誰に対しても敬語で、年上年下関係なく敬語だ。

「今日はどこに行こうか?」

「やったらカラオケに行かん?」

私が2人に尋ねると芽衣がカラオケに行きたいと言い出した。

「いいですけど、来週からテストが始まりますよね?少しは勉強しません?」

「確かにテストで赤点はまずかけんね」

「赤点取ると親が呼び出されるからね。私はこの前、いずみんのことで親が呼び出されたばかりだし」

「またJ高校ん男子ば、くらしてしもうたしね」

「少しは控えた方が良いですよ。それなら尚更、テスト勉強をした方が良いですね」

「しょんなかけん、そうしよう」

「そうしよっか。学校で勉強するよりマシだし」

こうして今日はテスト勉強をすることになった。

普段は学校をサボって、カラオケに行ったりMACやスタバに行って時間を潰す。

沖ノ島海水浴場に行き、防波堤に座って海を眺めて感傷に浸る時だってある。

ちなみに私たちの移動手段は原付バイク。

私と芽衣がそれぞれ原付きの免許もバイクも持っていた。

私のバイクはヤマハのビーノ。

色はベージュ。

芽衣のバイクはホンダのジョルノ。

色はサマーピンク。

沙弥は親が免許を取らせてくれないので、私か芽衣のうしろに乗って移動する。

警察に見つかったら捕まるだろうけど、こんな田舎の街で捕まえようとする警察官などいないと勝手に高をくくっていた。

実際に1度も捕まったことはない。

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