パパLOVE
午前中の授業が終わり、舞香と詩美と一緒に学食に向かっていた。
今日は学食で食べようと約束していたからお弁当は持ってきていなかった。
下駄箱の前の廊下に差掛ろうとしていると、知った顔がそこにいた。
誰かを待っているような感じだったけど、たぶん私なんだと思った。
私は顔を合わせるのが嫌で、その場に立ち止まった。
「はぁ」
気づかれたらまた声をかけられるんだろうな…気が重くなった。
「どうしたの?」
「三枝先輩が…」
「あっ‥ホントだ。でも香澄ちゃんは三枝先輩のこと嫌なんだよね」
「嫌っていうか何ていうか…。昨日もバイト先まで押しかけてきた」
「積極的ね」
「しつけえ男だな。少しシメてやるか」
「暴力はダメだよ、詩美ちゃん」
「じゃあどうする? 遠回りして行くか?」
「いいよ、普通にしてよう」
私はそう言うと、2人の手をとって歩き始めた。
「あっ」
すると下駄箱の前にいる三枝先輩のもとに1人の女子生徒が歩み寄って行った。
待ち合わせでもしていた?
あの人って確か、5組の白川奈未。
学年の中でも男子生徒から絶大な人気のある女子の1人だった。
「あの女子って白川さんだよね」
「うん、そうだね」
「男子から相当モテるらしいぞ。何かあの女、鼻につくんだよな」
「仕方ないよ。ホントに男子からモテモテなんだから」
それとなく2人の様子を伺っていると、楽しそうにしている訳ではなく、神妙な面持ちで2人並んで歩いていた。
「何だよあいつ。女なら誰でも良いのかよ。女たらしがっ」
「詩美ちゃん、言い方!」
「だってそうだろ。いつもは香澄、香澄って言い寄ってきてたのに」
「私、何とも思ってないから大丈夫だよ」
それは本心で、ハッキリ言って少し安心した。
他の女子に行ってくれるならこれで私も一安心だ。
教室に会いに来られることも、バイト先にまで押しかけられることもなくなるのだから。
強がりではなくて、本当にせえせえしている。
今日は学食で食べようと約束していたからお弁当は持ってきていなかった。
下駄箱の前の廊下に差掛ろうとしていると、知った顔がそこにいた。
誰かを待っているような感じだったけど、たぶん私なんだと思った。
私は顔を合わせるのが嫌で、その場に立ち止まった。
「はぁ」
気づかれたらまた声をかけられるんだろうな…気が重くなった。
「どうしたの?」
「三枝先輩が…」
「あっ‥ホントだ。でも香澄ちゃんは三枝先輩のこと嫌なんだよね」
「嫌っていうか何ていうか…。昨日もバイト先まで押しかけてきた」
「積極的ね」
「しつけえ男だな。少しシメてやるか」
「暴力はダメだよ、詩美ちゃん」
「じゃあどうする? 遠回りして行くか?」
「いいよ、普通にしてよう」
私はそう言うと、2人の手をとって歩き始めた。
「あっ」
すると下駄箱の前にいる三枝先輩のもとに1人の女子生徒が歩み寄って行った。
待ち合わせでもしていた?
あの人って確か、5組の白川奈未。
学年の中でも男子生徒から絶大な人気のある女子の1人だった。
「あの女子って白川さんだよね」
「うん、そうだね」
「男子から相当モテるらしいぞ。何かあの女、鼻につくんだよな」
「仕方ないよ。ホントに男子からモテモテなんだから」
それとなく2人の様子を伺っていると、楽しそうにしている訳ではなく、神妙な面持ちで2人並んで歩いていた。
「何だよあいつ。女なら誰でも良いのかよ。女たらしがっ」
「詩美ちゃん、言い方!」
「だってそうだろ。いつもは香澄、香澄って言い寄ってきてたのに」
「私、何とも思ってないから大丈夫だよ」
それは本心で、ハッキリ言って少し安心した。
他の女子に行ってくれるならこれで私も一安心だ。
教室に会いに来られることも、バイト先にまで押しかけられることもなくなるのだから。
強がりではなくて、本当にせえせえしている。